本展は、2019年に41歳で亡くなった実業家、河合伸子氏の遺志を受け、困難を抱える子どもや家庭に育つ子どもを支援する「NOBUKO基金」(公益財団法人パブリックリソース財団内に設置)の補助事業として、「絵と言葉のチカラ展」実行委員会が開催致します。(「NOBUKO基金」は、その分野で先駆的活動を行なっているNPO6団体に向け、総額4500万円の助成を行なうなど、その活動を支援しています。)
本展はアートは人々の心を潤し活力を与えるという信念のもと、作り手、そして鑑賞者の心が豊かになるような作品を、1点でも多く世に発信したいと願っています。3回目となる昨年は応募者362名、応募作品456点から画像による1次審査を通過したのが128点、実際の作品による2次審査を通過した55点が入選、その中から受賞者を選びました。入選作品(言葉の原稿を含む)は、松坂屋上野店の美術画廊とアートギャラリーで展示され、多くの方々にご覧いただくことができました。これまでの募集を通じて、「絵と言葉の融合する表現世界」が想像以上に人々に求められていること、その表現の潜在力と可能性を実感致しました。
絵を描くこと、言葉を綴ること——創造的かつ根源的なこれらの行為は、デジタル化が著しく進む現代だからこそ、人生をより充実したものにするために必要かつ大切なことではないでしょうか。本コンクールの開催を通じて、私たちはそのことを強くメッセージして行きます。
このコンクールの目的は、美術界のスターを輩出することではありません。人々の心の奥底に響く「絵と言葉のチカラ」を、学生からプロのアーティストまで幅広く募集し、新しい表現ジャンルを育てます。「生きるチカラ」や「深い思い」が伝わる作品を、資格を問わず幅広く募集いたします。
絵で語り言葉で綴る世界を自由に表現してみませんか?
絵と言葉は、あなたの内なるチカラと想像力で繋がります。
2024年7月
「絵と言葉のチカラ展」実行委員会
主催の言葉
人々の心に染み入る
「絵と言葉」の芸術作品に期待
1977年に生を受け、2019年にシンガポールでその生涯を閉じるまで全力で駆け抜けた証ともいえる河合伸子が残した「NOBUKO基金」および「NOBUKO基金ART」は、いずれも「やさしさ」を世に広げることを目的に設置されました。
「私より能力があるのにお金がなくて学校に行けなかったために、まともに評価される仕事に就けない人が多い」と、伸子が世の中の理不尽さを嘆いていたことが今でも私の耳から離れません。この公募展はそうした彼女の思いを受け止め、進めることを運営の基調にさせていただいています。
とはいえ、参加者、支援者の広がりは個人の思いを超えて一つの流れとなりつつあることは確実だと思います。これまでの開催を通じて、こうした流れを途切らせることなく「絵と言葉」という芸術表現方法と結びついて、回を重ねるごとに深化がはかられていることに喜びを感じました。
この「絵と言葉のチカラ展」という表現形式は応募して頂いた皆さんや審査員の方のご努力もあり、徐々に確立しつつあるのではないかと思います。
前3回の展覧会で結んだ蕾がさらに第4回展で大きく花開くことを期待しています。
「絵と言葉のチカラ展」発起人 河合 昭